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伝統について ~ソウル南大門焼失~

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ナオコです。
ヨウ、書き込みがしばらくないけど、仕事忙しそうだね。

韓国の首都、ソウルの象徴的な建造物で国宝1号、南大門が放火によって焼失してしまったね(ニュース検索)。
ソウルには行ったことがないけれど、行ったことがなくても十分ショッキングな情景だった。

「子孫に顔向けできない」と嘆くソウル市民。
いまごろ、放火を許す状況をつくったのは誰なのかという非難が飛び交ってるのかな。
もちろん建物に放火するなんてとんでもない暴挙なのだけど、「自分は何もしなくても、誰かが管理して守っていてくれる」残念ながら、みんながそう思ってきた結果なのかもしれない。

伝統を守るということばがある。
これを履き違えた人が、伝統をくつがえすものや伝統的でない行動を非難する。
でも、ほんとうに残すべき良いものというのは、大仰な努力をしなくても自然に残ってゆく、受け継がれてゆくものだと思う。
私の勤めている会社で以前、外部の人も参加できる毎週恒例の勉強会を、繁忙を理由に1ヶ月間休むかどうかでもめたことがあった。
私には些細な問題に思えたけれど、そうでない人たちもいた。
彼らの主張とは、その会をずっと絶やさず続けたのにいまさら崩すわけにはいかない、これはうちの伝統なのだ、というもので、私は吹き出しそうになった。
私たちの会社はまだ創立11周年で、勉強会は始まって5、6年というところ。
社内規定はころころ変わるし、トップの指示も朝令暮改。
そこへ持ってきて「伝統」!

伝統という名のもとに、淘汰されるべき習慣が意味もなく残されるのは、そのコミュニティの発展を妨げることになる。
伝統ということばを振りかざすのではなく、あなたが守りたいと思うものをあなた自身が守ればいい。

話がそれちゃったみたいだけど、伝統についていつも思うことをぶつけてみた。
南大門の放火犯は、前科もあるらしい。
そんな人物と、防火の手薄な歴史的建造物が出会ってしまったという不運。
そして、世界中の古くてすてきなものをいつも管理してくれている人たちに感謝。

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