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中国の資本主義とアフリカの社会起業家はどうちがうのか ~星野博美『愚か者、中国をゆく』~

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今朝の朝日新聞3面に、アフリカの社会起業家の話が載っていました。
ガーナの移動トイレ事業の男性。

トイレのニーズのある場所にトイレを設置し、使用料を取るらしいのだけど、私のこれまでの「社会起業家」イメージとはちょっと違っていたので印象に残りました。

20年ほど前、香港から中国は新疆ウイグル地区のウルムチまで旅をした星野博美さんは、新著『愚か者、中国をゆく』のなかで旅行の帰途に出会った洗面商売の男性の話を書いていました。
その男性はものすごい人ごみの鄭州駅のそばで、おもむろに鞄から洗面器と汚れたポリタンクを取り出し、洗面器に水を注ぎ、「洗面 4円」とダンボールの切れ端に書いてその場に置いた、とのこと。
そんな商売成り立つのか?といぶかしく思った星野さんは、男性に聞いてみたところ、駅の水道からはかなり離れているから、顔を洗いたい人がいるはずだというのでした。

実際、まもなく客がちらほらと現れ、しまいには星野さん自身も顔を洗ってしまったとか。

では、ガーナの移動トイレが社会起業家なら、この洗面商売も社会起業家なのか?

競合のいない場所で自らの元手を使用して人々のニーズを満たすという活動はきわめて合理的に利益を追求していると思いますが。
Social Entrepreneurということは、組織化されていれば洗面商売の男性も社会起業家というわけか。
・・・まあいいや。

ちなみに、このエントリーのタイトルに「中国の資本主義」と書いたけど、『愚か者、中国をゆく』の主旨は、20年前いかにも社会主義国だった中国が驚くべきスピードで資本主義化したことへの驚きでした。

星野さんは作中で、まだ大学にも上がっていないころ、イギリスのバンドJapanのVision of ChinaのPVにいたく触発されたと書いていたのでそれを貼りつけてみます。
このころは、毛沢東が現役だったのだなぁと思うと感慨深いものがありますね。






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