ふたりblog think twice!

考え事と備忘録と発見の集積。

発足する前からご臨終

ぎょえーーーーー

国民新党の公式サイトより

1、時価会計の無期限停止
「銀行等」(銀行、信用金庫。信用組合)に対しては、時価会計の適用を無期限停止する。

2、自己資本比率の撤廃
「国内基準行」に対する自己資本比率規制を撤廃する。

3、ペイオフ制度の適用停止
ペイオフ制度の適用を停止し、預貯金は保護する。

4、公的資金による資本注入
自己資本の減額が予想される「銀行等」に対しては、公的資金による資本注入を実施する。

5、大阪証券取引所における「日経225先物取引」の廃止
大阪証券取引所における「日経225先物取引」は、投機マネーとして、原価の株価乱高下の一因となっており、早急に廃止する。

・・・開いた口がふさがらず。

元左翼とカルト教団の邂逅 ~村上春樹『1Q84』~

ひどく興ざめした一部分を除き、概して良かった。
ただ、話題先行型でよく売れているが「おもしろい」という感想は耳にしなかったので、それほど期待もしていなかった。
買った理由は世間で話題になっていたからだ。

私はとくべつ村上春樹さんのファンではないので彼の作品群のなかで『1Q84』がどのような位置づけになるかということを云々する気はないけれど、引き込まれ具合は『ねじまき鳥クロニクル』のほうが断然強かったし、作中チェーホフの小説についての描写にあったような無駄のなさも感じられない。
しかし、青豆と「さきがけ」の教祖との会話は興味深かった。

ところで、「タカシマ塾」と「さきがけ」という宗教団体の記述に、元左翼が山中の土地を買って農業を営むようになり有機野菜の通信販売をはじめたというくだりを読んで、どこかで聞いたことのある話だと思ったら、藤本敏夫さんの「鴨川自然王国」に似ているのだった。
「鴨川自然王国」は宗教団体ではないが、全学連委員長→勾留→大地を守る会→鴨川自然王国という流れまではかなり似ている。
参考文献は加藤登紀子『青い月のバラード』藤本敏夫『農的幸福論』 の2冊。
加藤登紀子さんの日記に『1Q84』について書かれていたが、以上の点についてはとくに言及がなかった。

上下巻ではなくBOOK1、BOOK2としているのは話の続きを示唆しているのだろうか?




化石化する消費 ~三浦展『シンプル族の反乱』~

三浦展『シンプル族の反乱 ~モノを買わない消費者の登場~』(KKベストセラーズ) の新聞広告を見て、その日のうちに買 った。
反乱というとおだやかでないが、社会で静かな広がりを見せる「非消費層」ともいうべき消費者に焦点を当てた一冊。
若年層に多く、車を買わない、無印やユニクロのヘビーユーザーという特徴があるらしい。

以上のような特徴は私自身にもあてはまるのだけど、著者のおこなった「私が考えるシンプル族の典型イメージに近い暮らしをしていると思われる人たち」へのインタビューによれば、
・できるだけ新品のものを買いたくない
・ものを捨てたくない
・古くて味のあるものになら多少高価でもお金を出す
・エアコン、洗濯機、掃除機などの電化製品に頼りたくない
・都内でも浅草、神楽坂、谷中などの古い歴史を感じる街に住みたい
というような嗜好性を著者のいうシンプル族は多かれ少なかれ持っているらしい。
そこまで徹底するのなら、むしろユニクロや無印はほんとうに気に入ったものが見つかるまでの間に合わせの役割しか果たしていないように思える。
このような人々はサンプルとしては偏りすぎているので、著者にはもうすこし平均的な消費者像にアプローチしてもらいたかった。

いっぽう思わず笑ってしまったのは、いまの消費者のメンタリティを的確に突いた次の一説。
 GMが倒産したということは非常に象徴的である。企業が、消費者の論理ではなく、企業の論理で物を作って浪費させる時代の「終わり」が始まったのである。

 だから、単に燃費の悪いガソリン車からプリウスやインサイトのようなエコカーに乗り換えればいいという問題ではない。たとえエコカーでも、4年に1回買い換えていたら、全然エコではない。今行なわれているエコ減税に対して少なからぬ消費者が(特にシンプル族が)欺瞞を感じるのは、それが所詮買い換え促進政策にしか見えないからだ。
まあ、実際買い換え促進政策なわけだけど。
こういうふうに感じる消費者が増え続けているとしたら、お金は流れなくなる一方だ。
したがって、シンプル族にいかに消費してもらうかが、各企業にとっての関心事ということになる。

ただ、ほんとにお金を使わないといけないのは、親の敵のように貯蓄しまくっている高齢者層なのではないだろうか。
相続税率をもっと引き上げて、存命中にお金を使うインセンティブになるようにすれば、ある世代の「老後資金」がそのまま次の世代の「老後資金」にスライドするような現状も少しは解消するかもしれない。
さらに根本的な問題は、高齢者がお金を貯めこまなくても普通に生活できるしくみを再構築する方法が見出せないことだ。

この問題を放っておいたまま、所得が不安定化している勤労者層に企業努力によって消費をうながすのは無理がある気がした。

松永真理さんの声に癒される ~松永真理『シゴトのココロ』(オーディオブック)~

このあいだFebeでダウンロードした松永真理さんの「シゴトのココロ」というオーディオブックに癒されている。
内容ではなく、松永さん自身が朗読するその声に。

松永さんはリクルートのとらばーゆ編集長やNTTドコモのiモードの開発者として知られているが、朗読者としてはもちろん知 られていない。
松永さん自身、オーディオブックのあとがき(?)で、このために朗読のトレーニングを受けたことを明かしているが、正直プロ の優等生タイプの朗読よりずっと情感あふれていて癒される。
内容も興味深いが、彼女のマチュアで落ち着いた声に心が安らぐのだ。

私は中学生から大学生まで放送部に属していたので、アナウンスメントの基礎はわかるつもりだ。
だから、アナウンスのプロでない人の朗読に感銘を受けるのははじめてのことで、新鮮な驚きだった。

Febeのブログにも収録風景が掲載されていた。
あのiモードの名付け親!なんと、FeBe収録現場にて・・・

シゴトに疲れたとき、キャリアアップや職場の人間関係などについて指南を受けながらひとときの癒しを受けることができるのでおすすめ。

ペプシコーラのMichael Jackson追悼バナー広告

こういう瞬発力が欲しい。

広告へのリンク

商売っ気が見えると反発もあるし
反対意見も多いだろうけど。

RE: 準備期間はたっぷりとある、小ネタをいろいろ考えよう。

撮影をしてもらいたいなら、自分から要請するという手もあるらしいよ。
所有地がないといけないらしいけど。
(公式サイトに載っている高台寺の人は高台寺の所有者なのかな。)
私有地も「ストリートビュー」で撮影・公開、Googleが新サービス

公式案内はこちら。
ストリートビュー パートナー プログラム

過去エントリー:準備期間はたっぷりとある、小ネタをいろいろ考えよう。

不可思議なバフェットのプットオプション~Weighing Buffett's Options~

























Bloomberg Marketsという雑誌(6月号)の'Weighing Buffett's Options'という記事によれば、世界一有名な投資家でビル・ゲイツに次ぐ資産家のウォーレン・バフェット氏の会社、バークシャー・ハサウェイが最近株価の下落に見舞われているらしい。
理由は多額のデリバティブ取引で、なかでも注目されているのは、バフェット氏が2028年に最終権利行使日を迎えるプットオプションを売ったというもの。
取引はすでに成立していて、バークシャー社は49億ドルものプレミアムを受け取ったようだ。

しかしこのオプションの内容は謎に包まれている。
・開示されている4インデックスに対する権利行使価格はいくらで、何単位での取引なのか不明
・2019~2028年というような遠い将来かつ長期間のオプションは市場には存在しない
これらのことから、このオプションは特定の投資家との相対取引で、かつ多数のオプションを同時に取引していると思われる。

一部オプション取引の知識のほとんどない人が、「株価が下がったらまたそこで買ってリターンをねらえばいいのでは?」と言っているけれど、多額のプレミアムを受け取っておいて、そんなうまい話はない。

たとえば権利行使日に株価が1万ドル(権利行使価格)から5千ドルに下がっていた場合、プットオプションの売り手側は、時価が5千ドルであるにもかかわらずプットオプションの買い手から1万ドルで株を買い取るというキャッシュフローになる。
要するに、時価がいくら下がろうともプットオプションの売り手は、買い手の持ち株を1万ドルで買い取ります、という契約なのだ。
ただ、実際の権利行使ではそんなまどろっこしいことは行われず、権利行使価格と時価との差額がプットオプション買い手の取り分となる。
もちろん、その差額を負担するのはオプションの売り手だ。
さらに、このオプションはたぶんアメリカンタイプなので買い手は期間中いつでも権利行使できるはずだ。

多くのバフェットファンなぜ楽観的でいられるのか私にはわからないけれど、いちばん不可解なのはバフェット氏自身の意図しているところだ。
最終権利行使日を迎える2028年には彼自身が存命していない可能性が高い。
バフェット氏自身が原文記事でデリバティブについて語ったように、このオプションは「時限爆弾(time bomb)」のように思える。
このオプションで自分の死とともにバークシャー社を爆破したいのだと考えているとしたら、まあまあ合点のいく話なんだけど。

〈参考〉なぜか短縮され途中で終わっている記事和訳:デリバティブがバフェット氏の重しに-損失計算するバークシャー株主


あと、オプション取引がよくわからない方はこちらのページをご覧ください。
(とはいえ、ざっと読んですぐわかるような取引ではありません。)